工場 紀元前148年の共和政ローマのデナリウス銀貨

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紀元前148年に製造された共和政ローマの「デナリウス銀貨」です。時代はシーザーとクレオパトラが出会う100年程前です。この頃のローマは第三次ポエニ戦争など戦争に明け暮れ、連戦連勝の勢いのある時代でした。コインの表(おもて)面は、ヘルメットをかぶるローマ人と背後に”PITIO”の文字、アゴの下に”X”の文字、裏面には長い槍を持って馬に乗る”ディオスクロイ”(ゼウスの双子の息子のカストールとポリュデウケース)、馬の下に”L.SEM”(Lucius Sempronius Pitioの略)の文字、更にその下に”ROMA”の文字があります。Sempronius (センプロニウス)は古代ローマの氏族の一つで、紀元前509年に共和政ローマが樹立された当初から最高権力者である執政官を数百年に渡り代々センプロニウス一族の各家から輩出して来ました。Lucius Sempronius Pitioはその一族から出た共和政ローマの執政官です。2013年にマドリードのマジョール広場で毎週日曜日に開かれる古銭の朝市で購入しました。このコインが発見された場所はイタリア全土とスペイン南西部に集中しています(最後の7枚目の地図を参照)。このコインもスペインで出土したものを売っているのだと思います。参考までに同型のコインを5枚目と6枚目の写真にアップいたしましたが商品ではありませんのでくれぐれもご注意ください。ネットで、Lucius Sempronius Pitio Denarius coins をキーに検索すれば他にも同様のコインが沢山出て来ますので標準的な価格や状態が確認できます。サイズは直径18.5mm,重量3.45gです (1円玉は20mm,1g)。デナリウス銀貨の重量は戦時中を除いて約4.5gの水準を維持していました。戦時中は傭兵に給料を支払うため硬貨の質を落とすことが多くあり、例えばマルクス・アントニウスはオクタヴィアヌスとの戦いで傭兵を賄うためデナリウス銀貨の銀の含有量を落として製造しました。このコインも紀元前149年の第三次ポエニ戦争(カルタゴ陥落) や紀元前148年の第四次マケドニア戦争(マケドニア陥落)などで戦費がかさみ銀の含有量を落としたのだと想像されます。これも歴史の興味深いドラマの一コマです。商品は写真のコインとプラスチックケースのみで他に付属品はありません。

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